ハルペリン 病態から考える電解質異常 (日本語) 単行本 – 2018/6/4 臨床内科, 腎臓内科学 , 門川俊明 によって 門川俊明 5つ星のうち4.5 5つ星のうち 3個の評価 人の読者 ファイルサイズ : 26.85 MB 水・電解質,酸塩基平衡の英語の教科書では,Burton Roseらの "Clinical Physiology of Acid‒Base and Electrolyte Disorders" (Rose本)と, Halperinらの "Fluid, Electrolyte, and Acid‒Base Physiology: A Problem‒Based Approach"(Halperin本)が2大巨頭といってよいだろう。Rose本は2000年を最後に,改訂は止まっている。 今回,Halperin本は,2016年の秋に第5版が出版され,それを日本語に翻訳したのが本書である。 Halperin本は,非常に歯ごたえのある硬派な1冊である。水・電解 質,酸塩基平衡に必要な生理学,生化学の記述をしっかりおこない,それに基づいて,診断,治療について解説をおこなっている。病態を理解 することに最大の力点をおいているといったらよいだろう。また, Halperin,Kamelの哲学とも言える,一本の筋が通った本である。 日本語の水・電解質,酸塩基平衡の本はたくさん出版されているが, このように,生理学,生化学に踏み込んで病態を徹底的に解説している本はない。水・電解質,酸塩基平衡が嫌いな方にとっては,生理学,生化学がいやだという方が多いだろうが,本当に水・電解質,酸塩基平衡を理解しようと思ったら,避けられないと考えた方がよい。実際,米国腎臓学会の水・電解質,酸塩基平衡異常の生涯教育プログラムでは,多くの時間を生理学に割いており,それが,米国の腎臓内科専門医の深い知識を裏打ちしている。 しかし,今まで,日本語でそうした本格的な水・電解質,酸塩基平衡の勉強をしようとしても,適切な教科書がなかった。今回,訳者が Halperinの翻訳を手がけたのは,臨床マニュアルではなく,水・電解 質,酸塩基平衡異常の...